「皮膚がかゆい」というのは皮膚のお悩みの中でも特に多いものです。
赤や茶色のぶつぶつが出ている、出たり消えたりする、皮膚には何も出ていないのにかゆい、など様々なパターンのかゆみがあります。かゆみが長く続くというのは、ご本人にしか分からないつらさがあります。当院ではそのようなつらいかゆみにたいし、「今、かゆみのある皮膚で、何が起きているのか」「かゆみの原因は何か」という2本立てで検討し、考えられる最適な治療の選択肢をご提示します。

かゆみは早めにご相談ください

　「なんだかかゆかったから、家にあった薬を試しに塗ってみたけれど、良くならないんです…」そんな患者さんも、多くいらっしゃいます。家にあるお薬で何とかなるならば、それに越したことはない、というお気持ちはよく分かります。

　しかし実際のところ、かゆみの治療法は、塗り薬だけではなく、飲み薬も一緒に使う方が適しているケースも多くあります。

　「蚊に刺された！」など、明らかな原因が分かっている場合は、市販の塗り薬で数日で問題なく治ることもあります。ただ、一言で“虫刺され”と言っても、実は、治るまでにとても時間がかかってしまい痕が残ってしまう場合や、後々のために採血によるアレルギー検査をしておいたほうが安心な場合がありますので、少しでも心配なことがあれば、早めの受診をお勧めします。

　当院では、単に薬を処方して終了、ではなく、「塗り薬の塗り方」や、「今回処方の薬はどれくらいの期間で使い切る量か」など、できるだけ患者さん目線でお伝えするよう心がけています。

保湿剤の塗り方・選択についてご相談ください

　保湿剤は患者さん一人ひとりに相性があります。季節によって軟膏／クリーム／ローションを使い分けるというのも非常に有効です。
当院では、患者さんの乾燥肌のお悩みに合わせて、最適な保湿剤をご提案します。

かゆみの原因となる主な病気

　「自分のかゆみはなにが原因なのか？」というのは、来院される患者さんがとても関心をお持ちのことです。
　我々皮膚科医は、患部の皮膚を見せていただき、「今、かゆみのある皮膚で、なにが起きているのか」を推定し、治療選択肢を絞っていきます。そのため、「原因」ははっきりしないけれど「治療方針」ははっきりしている、という状況は多々あります。

　かゆみの原因となる主な病気（一部、まれな病気も含みます）を以下に列記しています。ご自身の症状にあてはまる病気がありそうか、覗いてみてください。

• アトピー性皮膚炎
• 湿疹・かぶれ（接触皮膚炎）
• じんましん
• 痒疹
• 虫刺され
• 薬疹
• 乾癬
• 水疱症
• 膠原病
• 汗疱・汗疹
• 乾皮症
• 凍瘡（しもやけ）
• 妊娠に伴うかゆみ
• 基礎疾患に伴うかゆみ（肝臓・腎臓・悪性腫瘍など）

※現在、各病気ごとの記事は鋭意作成中です。順次更新いたします。